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BOOK INDEX ・光の教会 安藤忠雄の現場 ・電車男の波紋 ・博士の愛した数式 ・星を継ぐ者 ・新解さんの真実 ・「クライマーズ・ハイ」 ・もう一つの「風の谷のナウシカ」 ・写真家 浅井慎平氏 ・洋画家 藤井勉さん ・美味しい雑誌が読みたいな |
■光の教会 安藤忠雄の現場 図書館で偶然手にした一冊、和田誠さんの装丁に魅かれて平松剛著「光の教会 安藤忠雄の現場」を読みました。建築家安藤忠雄さんは大学を出ないで東大の教授になったとか、いまだにビートルズ風長髪の風貌とか、どこか気になる方でした。 物語は2500万円の低予算で建築面積50坪の教会を建ててほしいという依頼から始まります。つまり坪単価50万円、一般住宅と変わりません。この当時、安藤氏は著名な建築賞を受賞しており、忙しい身です。その時彼は「金がないなら、いいものが建つかもしれんな。」とこの依頼を受けます。彼はローコスト建築の専門家でもなく、ましてボランティアで建築家をしているのではありません。そこには彼の建築家としての「思い」があったのです。 建築家としての「思い」とは、建築とは建てただけでは終わらない。それは始まりにすぎず、建築とは建物を利用する人達との共同作業によって延々と続いていくものという考えがあったのです。つまり、建築家が建物に込めた「あるべき姿」を利用者が引き継いでいかなくてはならないのです。それはコンクリート打ちっぱなしの建物にも関わらず冷暖房設備をつけないという施主側(使用者)の決定事項だと思える事にまで及んでいることからも伺えます。(安藤忠雄の出世作、日本建築学会賞受賞作、通称「住吉の長屋」は4部屋全て、隣の部屋へ移動するには中庭を通るというもの。雨の日に濡れたくなければ傘がいります。著名な建築家に「住み手に賞を与えたい」と言わしめた話題作でもあり問題提起作?) 教会建設は、その後、低予算やバブル期という時代背景、設計士としての安藤氏のこだわりなど、様々な困難にぶつかりますが、建物を作る際に関わる人々がこれらを乗り越えて完成するまでを丁寧に描いています。 完成した教会は壁面に大きな十字の切り口があり、そこから差し込む光は刻々と形を変え人々の感動を誘うものでした。その後、光の教会として日本だけでなく世界的にも有名になり、いまだに見学者が後を絶たないそうです。 しかし、床を黒く塗り替えたりと建築はまだ続いています。そして、完成ぎりぎりまで決まらなかった事項。壁の十字の切り口のはめ殺しのガラス窓です。それは冷暖房設置を建築家に拒否された牧師が冬の寒さに耐え切れないと、やっと通した事だったのですが、安藤氏は差し込む光の質が違うから、ガラス窓を外せと牧師に言い続けているそうです。 冷暖房完備の部屋で神に祈るのと、自然の厳しさを感じながら祈るのと違いはないのですか、彼なりの宗教家への問いかけがそこにある。 恐るべし建築家・安藤忠雄。 著者の平松さんはなんと話題の姉歯氏と同じ構造設計士です。鉄筋コンクリートの歴史、コンクリートの硬さ、建築素人の私にも理解できるように専門用語もわかり易い解説がありました。 この著書で第32回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞されています。 ■安藤忠雄氏設計: 水の教会 風の教会 ■追記 06.2.12 昨日、2月11日表参道ヒルズがオープンしました。安藤忠雄氏の設計だそうです。でも、あまり見に行きたいとは思いません。光の教会とは対極にある建物のような気がします。 JO3AYGさんが光の教会に行って素敵な写真をたくさん撮って送っていただきました。見てください。光の教会 |
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