□ 一枚の写真 ゆっくりと寄せては返す波の音、時折、遠くから子供と犬の声。 それ以外は何も聞こえない。 「きれいだね。」 「そうね。」 そんな会話の後、どの位たったのだろう。 隆は、「なにか言わなくちゃ…。」と思いながら、頭の中は真っ白で、 自分の膝を抱えたまま固まっている。 のり子は「早く何か言ってよ。」と思いながら、 妙に穏やかな気分になっている自分に驚いていた。 初めて自分の居場所をみつけたような、安堵感。 「もしかしたら、この人と結婚するかも…。」そんな事を思っていた。 ゆっくりと寄せては返す波の音、時折、遠くから子供と犬の声。 それ以外は何も聞こえない。 ■ 夕日を撮ろうとして、偶然手に入れたこの写真が私のお気に入りです。 このカップルの絶妙な距離感…恋人同士にしては遠いし、ただの友達にしては妙に落ち着いている。誠実さが伝わってくるたたずまい…座り方や服装からみると生活環境がまるで違うけど。など、いろんなことを私に想像させます。 初めてのデートの二人?、兄弟?、初恋の相手との久々の再会?……。 「ウーン。」 不思議な気分で、私の妄想は続くのでした。 |