
船にはドライジンが似合う
と思い込んでいる。
飲み方はビンから直接、いわゆるラッパ飲み。
何のことはない、
学生時代にヨットで時化に合い、
一息ついた時に、たまたま飲んだ酒がドライジンだった。
びしょ濡れで冷えた体の中にカッーと熱い液体が流れ込んで
生き返った気がした。
美味いと思った。

あれからバーで、何度か挑戦したが、
ストレートのジンは飲めたものじゃない。
何十年振りかでまた、ヨットに乗った。
夜のヨットハーバーは静かだ。
時折、
風でゆれるシートがマストにあたり
カシャン、カシャンと音を立てる。
星がよく見える。
赤と緑の点滅が
北から南へと音もなく移動している。
ナイトフライトのジェットだ。

デッキにドライジンを持ち出して、
舐めるように飲む。
美味い。
やっぱり、
船にはドライジンが似合う。