闇の中にぽっかり浮かび上がった白いゲレンデ。
リフトの音だけが響いていた。
奇妙な風景だ。
ゲレンデを越えるとリフトの音も、
直ぐに闇の中に吸い込まれていった。
ナイタースキーに挑戦した。
リフトを降りると、
雪がキュッ、キュッと音をたてる。
雪質はいいコンディションだ。
平日のせいか空いている。
というより人がいない。
まるでプライベートゲレンデ。
もっと早くから、来れば良かったと後悔した。
滑ると、気持ちがいい。
ドンドン、スピードが出る。
見渡す限り人がいない。
ドンドン飛ばした。
顔にあたる風がやけに冷たい。
いや、痛い。
あまりに痛いから、
早く滑りきろうと、さらにスピードを上げた。
もっと風が強くなった。
痛い、痛い、イターッ。
やっとの思いでリフト乗り場まで滑った。
飛ばしすぎたことを反省しながら
2本目のリフトに乗っていると、
今度は体が芯まで冷えてきた。
寒い。
寒い、寒い、サムイーッ。
リフトを降りる時には、
体は完全に冷え切っていた。
缶コーヒーを飲みながら、
風呂、風呂、風呂・・・、
と呪文をとなえると、
バカ熱い缶コーヒーが
手に心地よかった。