雨の土曜日。
いつもは騒がしい学生寮も、ひっそりとしていた。
僕は一人でレコードを聞いていた。
窓から雨に濡れた中庭が見える。
水銀灯に灯りがついた。
窓枠全体が映画の画面のように見えた。
静かなそして悲しい絵だった。
サイモンとガーファンクル。
「Boxer」
New Yorkで
貧しさと寂しさと寒さの中、
故郷に帰りたい気持ちに耐え
リングにたち、戦い続ける少年boxerの話だ。
都会の孤独。
上京してきて間もない自分とダブって
すごく説得力があった。
ストレートに胸に響いた。
僕は、椅子に座ったまま
「boxer」に打たれ続けた。