■ 時よ、止まれ!(グラディション・タイム)-秋の海イラスト3-


  • グラディションって卑怯だね。
    どっちの色にも属さないおいしい色を使うんだから。
「朝焼けと夕焼けの違いが分かるかい。」と彼が言った。
答えを聞く前に、何時の間にか疎遠になった。
でも、朝日を見るたびにあの頃を思い出す。
夕陽と海
バイクと夕陽と海
空がいつもの色に変わる前に一瞬不思議な色になる。
夜明け前に車を飛ばした。
海岸には誰もいない。
海を眺めながら、途中で買ったおにぎりと
ポットに入れてきたコーヒーで朝食にした。
なんとなく、すごく得した気分になった。
車と海
秋の海
何時だったか。何処だったか。
思い出せないのに、懐かしい気分。
私のDNAに刻まれている何かが、
そう感じているのかも知れない。
文明などというものが、生まれる前、
初めて海を見た私の遠い遠い昔の祖先に乾杯!